宿泊施設や商業施設などで需要が拡大している“畳おもて事業”の強化
大建工業は、宿泊施設や商業施設などで需要が拡大している機械すき和紙を原材料とする“畳おもて事業”の強化を目的に、生産体制の強化に着手すると発表した。
新製品は銀白 極(きわみ)山葵(わさび)色
近年の消費者の高級志向の傾向が強まり、畳おもてについても同様のニーズが増加しています。
しかし、国産イ草による高級おもての生産量は年々減少傾向です。
銀白 極 は、需要と供給のギャップを埋めることが可能な、より本物のイ草に近い外観と再現した高意匠タイプになります。
特徴
- 従来の銀白と比べて1.3倍の打ち込み本数5,200本。畳目の詰まりが緻密で上質な仕上がり
- 真新しいイ草畳表のような上質感のある新色「山葵色」
- 経糸(たていと)に太綿を使用し、畳の表面が高級感あふれる立体感に
通常の銀白のグリーンは、グリーンの色が鮮やかで綺麗ではありますが、天然イ草と並べて敷くと天然ではないとこが分かる商品でした。
今回発売された銀白 極の山葵色は、国産イ草の新畳のような色です。
またお寺や高級住宅に使用する高級畳表と同様に打ち込み本数が多いので、畳目が詰まっており耐久性も上がっていると思われます。
見た目だけでなく、本来の高級畳表の持つ品質も和紙表で実現したといえるでしょう。
銀白 市松(いちまつ)の新発売
和の伝統模様である「市松柄」を用いることでデザイン性を高めた畳表。
カラーラインナップ
- 01銀白×新銀白色
- 02乳白色×白茶色
- 03栗色×胡桃色
味わい深い濃淡のグラデーションが、インテリアに格調と情緒を演出します。
他社にはあった市松柄の畳表が、大建工業からも発売されることになりました。
銀白らしい色合いの組み合わせで、他社の市松表とは一線を敷いた感じがあります。
オリンピックのエンブレムにも採用された市松柄。
インバウンド需要とともに宿泊施設や飲食店などに採用されることが増えると思います。
生産体制の強化
会津大建加工㈱の工場建屋の新設し、生産体制の強化をする予定です。
1月着工。9月完工予定
また、東日本エリアの供給を担うため、織機の台数増設など、生産設備へ約1億5千万円の投資を実施
現在の生産能力30,000畳/月⇒2019年3月までに40,000畳/月へ
まとめ
熊本県を中心に栽培されるイ草は、年々収穫量が減っています。それに伴い、畳表の生産も毎年減っています。
生産者も減る一方です。イ草栽培に魅力が無いのでしょうか。現在、天然イ草の畳表は品薄感から相場は高いです。
ですが、畳表の生産者である農家は、農作業もあり畳表の供給を一度に増やすことができません。
大建工業の生産する畳表のよう織機を増やせば済む問題では無いところが、天然イ草の畳表を扱う業界の問題点です。
このまま熊本県のイ草農家が減り続けると、大建工業やその他メーカーが生産する人工畳表に頼らざるを得ない状況になるでしょう。
10年後には、天然イ草というだけで希少価値になってしまうかも知れません。